明るめの髪色を手っ取り早く暗めの髪色に戻すことが出来る「黒染め」。
ファッション的な意味合いだけではなく、仕事や学校などの関係でやむを得ず行う方もいるかもしれません。
そんな便利な黒染めですが、後のことを考えずにやってしまうと、取り返しのつかないことになってしまう可能性があります。
黒染めをした髪の毛を明るくすることも出来なくはありませんが、黒染めをした後にカラーをすると、明るくなりづらくなったり、ムラになりやすくなるため注意が必要です。
しかし、そうは言っても髪の毛を明るくしたい方は沢山いらっしゃると思います。
そこで今回は、黒染めした後の髪の毛を明るくする為にはどのような方法があるのかをご紹介したいと思います。
黒染めした髪は明るく出来るの?明るくするとどうなる?
明るい髪色を簡単に黒く出来る便利な黒染めですが、黒くする必要が無くなったからという理由で簡単に明るく出来ない厄介なカラーなんです。
黒染めした髪を明るくすることは出来ないことはありませんが、少なからずデメリットがあります。
市販の黒染めでセルフカラーした髪はムラになりやすい
市販の黒染めでセルフカラーをした場合、次回のカラーリングを美容院で染めたとしても、髪を明るくした時にムラが出てしまいます。
セルフカラーは、一見キレイに黒く染まっていても、塗布量の差によって染料の入り方が違います。
そのため、髪の場所によって明るくした時にムラとなって出てきます。
一度出来てしまったムラを完全に取り除くのは、美容師でも厳しいのです。
黒くなればいいやと、自分で染めてしまうと後々後悔することになるかもしれません。
また、市販の黒染めは美容院で使用する黒染めの薬剤よりも染料が濃いため(どんな髪質、ダメージがある人が染めても一定以上の仕上がりになるように)、その後のカラーリングが難しくなる傾向があります。
その後また明るくする予定がある人は、黒くする際も美容院で染めることを強くおすすめします。
黒染め後のカラーは赤味・オレンジ味が出やすい
黒染め前の髪色や使用する薬剤、工程にもよりますが、黒染めをしていない髪を明るくする時よりも赤・オレンジっぽさは出やすくなります。
最終的な仕上がりで、赤系、オレンジ系、ブラウン系など、暖色系の髪色にしたい場合はそこまで影響がありませんが、アッシュ・グレージュなどくすみ系の髪色にしたい場合は、黒染めの影響を強く受け、なりたい髪色に染まらないことが多くあります。
通常のカラーでは明るくならない場合が多い
黒染めで暗くなった髪は普通のカラー剤では明るく出来ません。
地毛の黒髪と、黒染めした黒髪は、見た目は同じでも髪の中身の状態が全く違います。
通常のカラー剤は、地毛のメラニン色素を破壊して髪を明るくする事は出来ますが、黒染めの染料は破壊できないので、黒染め落としの場合は必然的に薬の力が強いカラー剤を使わなければなりません。
後程説明しますが、希望の明るさによってはどうしてもブリーチなどの強い薬剤を使わざるを得ない場合もありますので、どうしてもダメージが残る場合があります。
黒染めした髪を明るくする方法は?
黒染めの染料は通常のファッションカラーの色味よりも濃く、髪の中から抜けづらい配合になっています。
そのため、新しく色を入れたとしても黒染めの染料が邪魔をして、明るくならなかったり、思った色味が出なかったりします。
また、黒染めした部分よりも新たに伸びてきた髪の方が染まりやすいため、根元の部分だけ明るく、黒染めの部分は暗い色のまま、ムラになってしまいます。
黒染めの色素は1年程経っても髪に残っていることがあり、伝え忘れたまま美容室でカラーをすると、先程も言ったようにムラになってしまいます。
黒染めの経験がある方は、美容院でカラーをする際に黒染めしていたことを必ず伝えておきましょう。
髪の傷み具合で染料の残り方は変わってくるので一概には言えませんが、行きつけの美容院で黒染めをしてもらうと、カルテなどに記録が残るため対処方法が判断しやすく、その後カラーがしたくなったときもキレイに染めてもらえる可能性が高くなります。
ここからは、美容院で黒染めした髪を明るくする方法をご紹介します。
【黒染めした髪を明るくする方法①】ブリーチで脱色する
このブリーチを使う方法は、単純にブリーチ剤を使って髪の毛を明るくします。
この方法は確実に髪色を明るくすることは出来ますが、完全に黒染めが抜けきらなかったり、黒い染料の残り具合によっては何度かブリーチを繰り返す必要が出てくるため、その分髪へのダメージが大きくなります。
そのため、髪質に合わせてブリーチ剤の強さを調節したり、放置する時間や、ブリーチの回数などをしっかりと見極めて施術する必要があります。
ブリーチした髪はどうなるのか?
ブリーチをすると、黒染めの色素を分解しつつ、地毛のメラニン色素も壊していくため、髪を一気に明るくすることが出来ます。
最初に髪はオレンジ色に抜けていきますが、何度かブリーチを繰り返していくとどんどん黄色く明るくなっていきます。
市販の黒染めでセルフカラーをしていると、濃く染まっている所と薄く染まっている所があるので、美容院でブリーチしても1回ではムラになる可能性が高くなります。
そのため、何度かブリーチをして均一に明るくする必要があります。
ブリーチは強い薬剤なので黒染めの染料を分解できますが、同時に髪やキューティクルも傷つけてしまうので、パサつきや絡まりやすい髪になってしまいます。
美容院でのブリーチは必要以上に髪が傷むことはありませんが、ブリーチという薬剤はどうしてもダメージに繋がってしまいます。
また、ブリーチをした髪はかなり明るくなるので、その後カラーをしても色落ちが早いというデメリットがあります。
しばらく明るいヘアカラーをしたいという人には向いていますが、職場や学校などで明るめのカラーが難しいという方にはあまりおすすめではありません。
【黒染めした髪を明るくする方法②】脱染剤で染料を抜く
もう一つの方法は「脱染剤」という薬剤で、黒染めの染料を抜く方法です。
完全に黒染めを落としきることは出来ませんが、ブリーチよりダメージを抑えて明るくすることが可能です。
脱染剤は、地毛はそのままに、カラー剤の染料だけを抜いてくれる薬剤です。
脱染剤を使った髪はどうなるのか?
髪質や脱染剤の種類にもよりますが、黒染め後の髪に脱染剤を使うと、赤みの強い色に抜けます。
元の髪色や髪質によっては黄色やベージュに抜ける場合もありますが、黒染めの染料のみを脱色するので地毛のメラニン色素は抜けません。
脱染剤は、ブリーチと違って染料だけを脱色しますが、やはり髪への負担はかかるのでどうしても黒染めする前の髪の明るさから1~2レベルは明るくなってしまいます。
黒染めをした髪をほんの少し明るくしたい人や、長年続けてきた白髪染めなどの色味を変更したい人には脱染剤がおすすめです。
【黒染めした髪を明るくする方法③】一番明るいカラー剤で明るくする
カラー剤の一番明るいカラーは14レベルまで明るさがあります。
この一番明るいカラー剤は俗に「ライトナー」と呼ばれており、髪を一番明るくする力を持っています。
ライトナーで黒染めを落とすやり方は、1~3レベルくらいの漆黒のカラーには全く通用しないので、ブリーチもしくは脱染剤が必要になります。
ただ、髪をほんの少し(1~2レベル)明るくするだけで良いという方には良いと思います。
【黒染めした髪を明るくする方法④】何もしない
黒染めの染まり具合や、髪のダメージ具合、今後髪をどうしていきたいかによっては、カラーをしない方が良い場合もあります。
毎日のシャンプーや日常生活で、必ず自然に褪色していって髪が明るくなるのでダメージはほとんどありませんが、希望の明るさまで黒染めの染料が落ちるまではとても時間がかかります。
極端ですが、ダメージを抑えることを一番に考えると何もしないのが一番です。
まとめ
いかがでしたか?
黒染めをした後に髪を明るくする方法をご紹介してきましたが、黒染めの度合いによっては希望の色にならない可能性もあります。
また、市販の黒染めは時間もお金もかからず楽に出来ますが、その後に美容院で染めてもムラになってしまいます。
その後明るくする予定がある方は黒染めの場合も美容院で染めてもらいましょう。
明るくする場合も、希望の髪色や明るさ、ダメージを見てもらってから美容師さんに染めてもらってください。
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